今日はニンテンドースイッチの発売日だ。
これから任天堂による一方的な侵略が始まる。
ニンテンドースイッチは一切戦うことなく、プレイステーション4の市場を奪っていくだろう。
「いやいやPS4の圧勝でしょ!」
多くの人はそう考えているだろう。だがそれは任天堂の美しく恐ろしい戦略を知らないからだ。
説明する。
砂漠のど真ん中で水を売る
あなたは今砂漠の真ん中にいる。ノドがカラカラだ。目の前に水を持った商人が現れた。でもマズそうな水だ…。
あなたはその水を買うだろうか?いくらなら買うか?
もちろん答えは
「絶対買う。いくらでも払う。」だろう。
これは市場の絶対ルールだ。
大きな需要に対して寡占状態で供給する。その条件ならどんな商品でも"質"に関係なく絶対に売れる。
androidが良い例だ。初期のandroidは圧倒的に質が悪かった。しかしながら寡占状態だったので金額差だけで市場を席巻できた。
つまりニンテンドースイッチが売れるか売れないかはニンテンドースイッチが良いか悪いかではない。それ"以外"の方が重要なのだ。
ポイント:PS4とのスペック差でスイッチを貶すソニー信者はカス。
ニンテンドースイッチは市場を独占する
簡単な図で市場を紹介しよう。
ニンテンドースイッチ発売以前のゲーム機市場はこのようなっていた。
据え置きゲーム機市場では圧倒的にPS4が強く、携帯ゲーム機市場では3DSが強い。2位以下は微々たる存在だ。
しかし2017年、遂に市場が動き始めた。
プロダクトの退場が始まったのだ。
据え置きゲーム機市場ではWiiUが消え、携帯ゲーム機市場では全てのプロダクトが消えた。※VITAはPS Nowの提供が切られることが決定したので事実上終了
退場した後の市場はこうだ。右側に注目↓
携帯ゲーム機市場ががら空きになっている。
本当に?
ソニーはPS VRがあるので新ハードの開発はリソース的に厳しい。そもそもソニーは携帯ゲーム機市場で勝ったことがないので進出する気力もないだろう。
つまりライバルはいない。その空いた市場にニンテンドースイッチが入ってくるのだ。
まさに砂漠の水商人状態。
ポイント:任天堂は携帯ゲーム機市場を独占する
ニンテンドースイッチ魔法の戦略
さて、そうなるとスイッチは市場を独占できるのである程度規模が大きくなることが予想できる。
ということは下記のようになるはずだ。
※盛ってます。
でもちょっと待てよ。
ニンテンドースイッチは携帯ゲーム機であり、据え置きゲーム機でもある。
そうなると、据え置きゲーム機市場をいくらか浸食するのでこのようになるはずだ。
そうそう。こんな感じ。
携帯ゲーム機市場で勝ちつつ据え置きゲーム機市場でも少しは勝てる…と。
だがこれも間違いなのだ。
もっと恐ろしいことになる。
携帯ゲーム機であり、据え置きゲーム機である。
それが何を意味するのか?
答えはこうだ。
いくよ。
はい!
え?え?どういうこと?
スイッチ増えてない?
増えてはいない。※おい
つまり…
「携帯ゲーム機」市場で取ったシェアがそのまま「据え置きゲーム機」市場でも通用するのだ。
もちろん売り上げが倍になる訳ではない。
だが、PS4から見れば同じだ。スイッチを持ってるユーザーが今後PS4を買うだろうか?もちろん買わない。
買わない、ということはスイッチはPS4の市場を奪っているのである。
任天堂は携帯ゲーム機市場で1人ラクラク市場を席巻しつつ、そのシェアの分だけ据え置き機市場のシェアもブン取れるのである。
分かりやすく例えると、
「スイッチは1人ガンガン素振りをするだけで、遠く離れたPS4の後頭部に全部直撃する」
ということだ。
ポイント:任天堂は片方の市場で勝つだけで両方の市場を取れる
そんなに甘くないけど、まぁまぁ甘い
この戦略には前提がある。
携帯ゲーム機市場がある程度大きくなきゃ意味がない、という前提だ。
携帯ゲーム機市場を奪うであろうスマホのゲーム市場がとても大きくなってる。
ってことは、そもそも携帯ゲーム機市場なんて残ってないんじゃないの?と疑問を抱く人もいるだろう。
その疑問にロジカルに答える為には他市場のデータが有効だ。スマホによって大きく奪われた市場と言えば何か?
デジカメ市場だ。
この図をみてほしい。
参照:デジタルカメラの出荷台数、出荷金額、製品単価の歴史的推移
確かにデジカメ市場はスマホに大きく奪われている。だが注目してほしいのは赤い線だ。その線だけはスマホが流行り始めた2011年以降も勢力を保ってる。その赤い線は何か?
レンズ交換式のデジタルカメラだ。
つまりスマホによって、カジュアルなデジカメは駆逐されたが「ガチ専用機」であるレンズ交換式はダメージを受けてないのである。
ポイント:ガチ専用機ならスマホに市場を奪われない。
ニンテンドースイッチはガチ専用機なのか?
次に疑問になるのはじゃぁスイッチはガチ専用機なのか?と言う点だ。結論から言うと「そこそこガチ」である。
詳細はここで↓書いたが、ざっくりと要約する。
スマホは具体的には3種類の動きしかできない。
「タップ」「スワイプ」「長押し」
この3つだけだ。
一方初代ファミコンですら十字キーとABボタンで斜め等を含めると26通りの動きができる。
この入力能力の違いでスーパーマリオはスマホ上では再現できないのだ。
だからアクションゲームをスマホに移植すると操作性が著しく悪くなるので必ず低評価になる。
つまりスマホでは
「タップ」「スワイプ」「長押し」
この入力方法で表現できる"程度"のゲームしかできないのだ。
そのジャンルは何か?パズルや一部のカジュアルなRPG、一部のシミュレーションに留まるだろう。
と言うことは、そのジャンルしかスマホはニンテンドースイッチの市場を奪えないのだ。
ポイント:スマホゲームは入力が弱い。それが縛りになる。
結局スイッチはどうなるのか?
スマホ市場が奪うシェアをざっくり200万台だと考慮して、3DSの販売台数とVITAのいない携帯ゲーム機市場の独占を考慮すると、初年度に"少なくとも"1300万台は売れるだろう。
PS4の年2000万台には及ばないが初年度はその程度で十分だ。
コトが動くのは最初の1年ではない。2年目、3年目以降だ。なぜならニンテンドースイッチが売れれば売れるほどPS4の市場を奪っていくからだ。
するとどうなるか?
ある一定の時点で"勢い"が逆転する。規模ではなく勢いだ。
それで十分。それだけでゲーム開発会社がPS4のソフト開発を躊躇しだす。
そうなったらおしまいだ。
PS4は値下げしか手段がないだろう。その時ソニーは悔やむのだ。PS VRではなくVITA2を作るべきだった…と。
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追記2017/03/04
・思いの外バズってしまい大人の事情が発生。タイトルと1単語だけ表現を修正しました。内容及び数字等はいじっておりません。
・一部の方が「据え置きゲーム機市場は携帯ゲーム機市場の15倍ある」とおっしゃってますが、それ計算ミスですよ。PS4の販売台数が億単位…?比較する対象が同列じゃないかもです。