僕はLINEを愛してる。
愛してるがゆえにLINEをどんどん駄目にするLINEの経営陣が許せない。
はっきり言うが、彼らのやってることはグダグダだ。他社のチャット系サービスが成長してる中、LINEが初めてユーザー数が減少したと言うがそれは当然だ。
説明しよう。
コンテンツをメインタブで増やし始めたらオワコンの証
最近LINEはニュースタブを追加した。
この一手からLINEがいかに切羽詰まってるかが分かる。
「新しいコンテンツタブを増やす」この施策で成功したサービスを僕は知らない。
以前グノシーは5000万人都市構想という名の下で、マネーフォワード等、様々なサービスをタブの形で取り込んだポータル化をもくろんだが失敗した。さらにその後グノシー内のマンガタブもやめてる。
参照:applio
TwitterはLINEのようにニュースタブを追加したものの結果的に日本限定で終わってしまった。
彼らの試みはなぜ失敗したのか?答えはその動機にある。グノシーやTwitterのようにサービスの成長が行き詰まった運営は往々にして「新しいコンテンツを足せばさらに集客できる」と勘違いする。つまりコンテンツの足し算で勝とうとするのだ。
このようにLINEは今のあり方を否定をせず、「コンテンツを足せば魅力が高まる。」と考えていてグノシーやTwitterが何年も前に気づいた間違いに"今さら"トライしようとしてるのだ。
ポイント:LINEの上層部にマーケティングのプロがいない。
余談:「ウチはポータル化する」とか言い出したらそのサービスは頭打ちしてる証。ヤフーになりたくて発言してるのだろうが、スマホはスマホそのもがポータルだからアプリでは構造的にポータルにはなれない。
余談2:ニュースタブは一旦設置したらその試みが"失敗した状態"を定義するのってすごく難しいけど大丈夫かな?タイムラインも失敗した状態を定義せずに放置してる。
そもそも間違ってるタブの構成
1.誰も使わないタイムライン
彼らは単純に「タブを一つ増やしただけ」だと考えているだろうが、大きな間違いだ。そして醜悪な判断だ。
アプリには「足したら引け」というルールがある。つまり押せるボタンの数は常に限定しろ、ということだ。なぜなら選択肢を増やせば増やすほど使い勝手が悪くなるからだ。
今回LINEは単純にニュースタブを一つ増やした。だが本当にやるべきはその分タブを一つ削ることだったのだ。
例えば、タイムラインタブ。このレシピ情報で溢れた誰も使ってないタブをなぜこの重要な位置に残すのか?ハッキリ言って不要だ。削らないまでも、このように↓チャットタブの中にコソッと移したって誰も文句を言わないだろう。(気付かれもしない。)
察するにタイムラインを考案した人物がLINEの主力チームのリーダーの立場でいるのだろう。もう死んでしまったタイムラインをこの位置で放置することで負けを認めずにいようとしてるのだ。(たぶんね)
ポイント:LINEは社内のパワーゲームを優先してる。もしくは思考放棄してるボスがいる。
余談:LINEブログとタイムラインを統合させずに分離独立してる時点で○○が起きてることが窺えるよね。
余談2:LINEのタイムラインが死んだ理由はここに書いたよ。
2.放置する左端の一等地
Facebook、Facebookメッセンジャー、Twitter、WhatsApp、WeChatの下タブの構成をみてほしい。
勘のいい人は気づいただろう。他の一流アプリ達はみんな左端のタブにメインコンテンツ、もしくは見せたいコンテンツを置いてる。ほとんどがデフォルトで起動する場所だ。つまり勝負する為の機能が左端のタブに置かれている。
一方LINEは左端のタブに何を置いてるか?
連絡先だ。
左端のタブは一等地中の一等地でもっっっっっっっとも注力すべき場所だ。そこに連絡先を置いてる。使用頻度は中の下、と言った程度の機能だ。FacebookメッセンジャーやWhatsAppに至っては連絡先は存在しないレベルのタブである。
「連絡先に何らか工夫があって、それが理由でそこに置いてるのかもしれない!」
安心してほしい。LINEはまったくそんなことを考えてない。LINEアプリを何度か起動し直せば分かる。起動するたびにどのタブが開くか?チャットだ。毎回左から二番目のチャットタブで起動するはずだ。だったらチャットタブを一番左に置けば良い。
つまり連絡タブはもっとも見せたいからそこに置いてる訳ではなく、昔からそこにあるから今もそこに置いてるだけ…と、思考停止状態に陥ってるのだ。
ポイント:「昔からそうしてる」ってIT企業が言い出したらオワコン
3.自分達のターゲットすら見失ってる
まだある。LINEはタブ名を載せない。この部分だ。
他の一流アプリ達はみんなタブ名を表記してる。
だが、LINEにはない。
タブ名を表記しないアプリで言えばInstagramが有名だ。
彼らのターゲットは若い女性。ゆえにオシャレなインターフェイスであることが求められる。つまり同じことをしてるLINEはターゲットを若い女性だと認識してるのだ。
一方、タブ名を表記をしてるFacebook、Twitter、WhatsApp、WeChatのターゲットは誰か?答えは「スマホユーザー全員」だ。老若男女全員をターゲットにしてる。だからこそ、アプリを開いた瞬間に何がどこにあるか分かるようにしてる。
問題はLINEだ。彼らはタブ名を表記をしていない。いや、正確に言えばもともと表記はあったのだ。だが彼らは削った。日本で老若男女4000万人が使っているのに…だ。スマホ人口が6000万だとしたらおおよそ3分の2。もちろんおじさん、おばさん、おじいさん、おばあさんのユーザーが1000万単位でいる。その状態で彼らはターゲットを絞ったのだ。信じがたい判断である。
表記なんて些細なことじゃん。
そう思うかもしれない。しかしながら世界で戦ってるトップクラスのチャットアプリ達はギリッギリの所までUIの改善を進めてる。ABテストどころかABCDEテストまでしてるだろう。その中でLINEがやったことはデータ分析の軽視だ。タブ名の削除は何の数字も上げたりはしない。
そもそもメッセージアプリはネットワーク効果そのものだ。ユーザー数こそが彼らの存在意義だと言える。その彼らがターゲットを絞ってFacebookメッセンジャーやWhatsApp、WeChatと戦おうとしてるのだから…ため息しかでない。
ポイント:LINEは他の一流アプリが絶対に守ってるラインが分かってない
余談:このデザインはLINEの特色でしょ、とか言ってる人に反論する気力はないよ。
そもそもニュースタブでいいのか?
おそらくLINEアプリの滞在時間を伸ばしたかったのだろう。しかしながら追加したタブが「ニュース」だったのは悪手だ。
Facebookのように動画に注力することでFacebookアプリの利用時間を伸ばすことで得られる利益は大きい。競合するYouTubeや他のエンタメアプリの時間を奪えるからだ。
だがLINEアプリの滞在時間を伸ばすことがFacebookメッセンジャーやWhatsApp、WeChatの時間を奪えるとは到底考えにくい。他のチャットサービスで連絡を受ければ結局そっちのサービスを開いてしまうからだ。つまりニュースタブを設けることで利用時間を奪う相手がチャット系ではなく、FacebookやYouTube等のエンタメ系ということになってしまう。
本来LINEが追うべき数字はアプリの滞在時間ではなく送受信の回数だ。送受信の回数が増えれば真に競合すべき他社のチャットサービスの利用回数を奪える。
そうなると設置すべき追加タブは…「通話」だ。
「いやいやwww通話機能はブックマークとしてホームに置けるんですよwww」
とLINEの中の人に言われてしまうかもしれない。
だがそれも間違いだ。女子高生なら通話機能をブックマークの形でホームにおけるだろう。だけど世のオトンやオカンには説明無しでは到底無理な話だ。
世の中高年たちはLINEは使えるがLINE電話の存在にすら気付いていない。だからこそタイムラインタブの位置に通話機能を置いてほしいのだ。
成長を続ける他のチャット系サービスの下タブはとことん「コミュニケーション」に注力してる。彼らのタブは全てコミュニケーションに関わるものだ。
※3度目↑
だがLINEは「ニュースタブ」と死んだ「タイムライン」を置いている。おそらく今後も放置し続けるだろう。
つまり他社のチャットアプリは送受信の回数を"奪い合う"姿勢でいるのに、LINEはそこに全く関心が無いのだ。そうなると当然LINEの送受信の回数は一方的に奪われてしまう。そりゃ世界で成長が止まって当然である。
今LINEの中で何が起きているのか?
LINEは社員にとって良い会社なのだろう。だがジョブズのようにNo!と言えるボスがいないのだ。だから方向性を見失った案がどんどん採用される。
ゆえに彼らはプロダクトの成長にフォーカスできない。制度的に裏KPIが社内の[何か]になっているのだと個人的には考えている。
小倉さん、なんでそんなにLINEにキレてるの?
僕がなぜそんなに怒っているのか?それはLINEがインフラだからだ。日本で圧倒的なシェア率を持つメッセージアプリの代替になるサービスは無い。自分がLINEをやめても他の人が別のサービスを使ってくれるとは限らないからだ。LINEは老若男女が使う鉄道会社、電力会社、水道局のようにインフラとしての自覚を持つべきだ。
もともとLINEは東日本大震災をきっかけで生まれたサービスだと公言してる。そのLINEがインフラとしての自覚がなく、スタイリッシュなUIを求め、結果的に無意味になるだろうニュースタブを重要な位置に置こうとしてる。僕はこれに腹が立ってしょうが無い。
もう一つある。僕はLINEに憧れてるのだ。愛してもいる。日本発で世界で億単位のユーザーを抱えることに成功したLINEはアプリ業界の星だ。LINEが死んでしまったら世界で戦えるアプリはメルカリしかいなくなってしまう。
日本の星が死んでは困る。
LINEにはインフラとして自覚を持ち、(ネックになってる誰かを切って)是非とも再復活を遂げてほしい。
小倉さんがLINEにマジギレして勢いで作ったアプリがコチラ↓
小倉さん(Facebook)※友達申請は全員承諾しますよ。