小倉さんは考えた

やわらかければうまい。そう習ったよ。

ポケモンGOに殺されるアプリ市場と広告市場

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触ってみました。ポケモンGO。びびりました。冷や汗が止まりません。

このアプリはユーザーにとってはこの上なくハッピーなサービスですが、これまで成長してきたアプリ市場にとっては「毒」だと言えるでしょう。

宣言しておきますが、今年下半期アプリとそれに関わる広告市場の業績はガタ落ちします。

なぜなら…

可処分時間は一定なのにポケモンGOはそれを奪い尽くす

移動中、起動しっぱなしじゃないとポケモンに出会うことはできません。それによりポケモンGOの起動時間は非常に長くなります。その結果、FacebookやTwitterよりも遥かに滞在時間が長いアプリになりました。

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1日にスマホを起動する総時間には限界があります。その中で多くのアプリ主が「いかにたくさん起動してもらうか」「いかに長く滞在してもらうか」ということにしのぎを削ってきました。つまり起動回数と滞在時間はアプリにとってもっとも大事な数字です。命と言っても良いでしょう。その命を1日で大きく奪っていったのがポケモンGOです。

 

ポケモンGOは他のアプリの利用時間をゴリッゴリに奪っていってるのです。未来ではありません。既に収奪ははじまってるのです。聞くところによると、本日、半減と言えるほどDAUが落ちたサービスもあるようです。

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DAUや起動時間を奪われたアプリはどうなるか?もちろん売上げも同じくらい落ちていきます。

ポケモンGOはアプリの生態系を育まないブラックホール

 FacebookやTwitter、SafariやChromeを開いた先にはアプリの紹介記事やアプリ系広告がたくさんあります。「アプリ広告うざい。邪魔。」そう思われる方も多いでしょう。しかしそれらは次のアプリにつながる「ハブ」としての役割を果たしています。f:id:ogit:20160722190039j:plain

 

しかしポケモンGOは可処分時間を大きく奪ってく上に、次のアプリに繋がる広告は一切表示されません。他のアプリの"時間"を大きく奪う上に、アプリ広告は一切なし。それはアプリ広告の業界全体のimp総量が減少することを意味しています。

それによって仮に今まで100の広告価値があったアプリが60〜70程度に下がってしまうことは十分に考えられます。

「他のアプリを紹介しない?課金ゲーってそもそもそういうもんだろw」

と思われるかもしれませんが、ポケモンGOはその被害…というか影響の規模と性質が全く違います。パズドラやモンストを含む課金ゲーは通常、アプリ内で他のアプリの広告を出したりしませんが、広告費を大きく使います。

広告費<収益

これを実現させることでアプリ市場とアプリ広告市場の生態系を潤わせてきました。

しかしポケモンGOは違います。その知名度から広告費を一切払うことなく成長しているのです。

 その成長による収益を広告費としてアプリ業界内に循環させるのではなく、一方的な収奪...を行なっているのです。(というか殺戮?)

これでは現在の規模の生態系を維持するのは困難です。アプリ市場そのものの一時的な縮小は避けられないでしょう。(株価に影響出そうですね…。)

 

業界の方は、ジッと耐えましょう。

秋にはきっとみんな戻ってくる…はず。  

 小倉さんが作ったけど、ポケモンGOに蹂躙されたアプリはコチラ↓
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