スーパマリオシリーズが1200円なら圧倒的に安い。それは分かる。
だが大して売れないだろう。
おそらく初日に星1が大量に付いて4日でセールスの首位陥落、と言ったところだ。
※マリオランがリリースされる前の12月15日午前1時に書かれた記事です。
なぜか?
スーパマリオランの買い切り1200円には大きな心理的ハードルがあるからだ。
クアアイナのアボガドチーズバーガーに1400円払っても、ビジネス書に1500円払っても心は痛まない。
ましてやソシャゲの課金に1200円払ったとしても「まぁこんなもんだろ」という人がほとんどだ。悩むとしてもせいぜい数分だろう。
だが買い切りアプリの1200円にはなかなか手がでない…。これは矛盾だ。
今回はこの謎について考えてみたい。
高い、安いとは何なのか?
「アプリはモノとして残らないから高く感じる」という説があるがそれは間違いだ。
紙の書籍とあまり値段の変わらないKindleの電子書籍は絶好調だし、ウィルス対策ソフトやOfficeだって今時パッケージ版よりもダウンロード版を買ってる人の方が多いだろう。
では、高い安いはどこから来ているのか?それは"無意識下での比較"だ。納豆が3パック80円で安いと感じるのは普段の値段が100円だと知ってるからだし、250円の豚丼が割安に感じるのは400円の牛丼の存在があるからだ。
つまり、スーパマリオランの買い切り1200円が高く感じる理由は無意識に比較してる対象が安すぎるのだ。
有料アプリや買い切りアプリはなぜ高いのか?
有料アプリや買い切りアプリはなぜ躊躇してしまうのか?
その答えは無意識に比較対象が"無料アプリ"になってしまっていることにある。つまり無料アプリと比べて「高い!」と感じているのだ。
もちろん無意識下での比較なので「高い!」と感じる理由は本人にも分からないだろう。
このグラフをみてほしい。任天堂が考えたスーパーマリオランの1200円はこのイメージから来ている。
しかしながら、わずか1200円が高いと感じてしまう多くの人の脳内はこのようになっている。
このグラフはものすごく不公平だ。だけど、脳はこう感じてしまう。
つまり多くの人にとっては「1200円だったら無料アプリで十分だよね」と考えてしまうのだ。それも"無意識"に、だ。
ではなぜソシャゲ課金は高いと感じないのか?
ではなぜソシャゲ課金ユーザーはポンポンと数千円を払っていけるのだろうか?
その答えはこうだ。
比較対象が「ソシャゲ内での別の課金」になっているのだ。魔法石1個にするのか、一気に5000円はらって85個手に入れるのか…。選択肢はそのソシャゲ内課金の価格差でしかない。(この現象はとても興味深いので別記事で語る。)
狂ってるとしか言いようがないが、それゆえソシャゲは高額課金を可能にしているのだ。
DeNAがこの点を熟知しているのにも関わらず、スーパーマリオランが1200円買い切りの形になったのはこの点において任天堂に主導権があったからだろう。課金のさせ方が素人感丸出しだ。
と言うわけで
・構造的に有料アプリや買い切りアプリは不利
・だからスーパーマリオランは伸びない
と言うことを説明できたと思う。
個人的にはスーパーマリオランは3日間限定で完全無料、4日目からは有料1200円にして、有料ランキングで末永く1位に鎮座した方がしあわせだと思うんだけどなぁ。